公共基準点からの求積
  2. 日本測地系と世界測地系

  地球は球面なので、平面である地図に直すには、何かを優先させて何かを犠牲にする必要が有ります。
 測量も小さい地域を測量する時は、地上を平面と見立てて測量しても地上の球面度合いが少なく誤差も問題
 有りませんが広い地域となると球面の位置を平面で表現するのに工夫が必要となってきます。
 公共基準点からの測量では、日本測地系と世界測地系の概念が有り どちらもある高さでの位置関係を
 座標数値で表現したものです。 任意座標は、狭い測量した地域だけを任意の数値を持って表現したもの
 ですが、日本測地系は日本全体の中での位置関係、世界測地系では、地球全体の中での位置関係を座標
 で表現しています。よってその数値はその位置だけの数値となりますので相対関係であれば日本測地系は
 日本全体、世界測地系は地球全体での相対的な位置関係となりますので、測量誤差を除けばその座標数値
 は絶対的な数値となり他の数値は有り得ません。
 
 平成14年4月1日から世界測地系に法律が変わりましたので、現在は日本測地系は使用されていませんが、
 いずれにしてもやはり球面を平面にして表現する事には変わりありませんからいくつかのエリアに区切って
 (別図有りで関西地方は第6系)平面直角座標で表現しています。
 結局球面を無理に平面に直すので、あまり広くすると誤差が大きくなるからです。

  

       更に詳しく知りたい方はこちらをどうぞ(ジオイド2000について)
       更に詳しく知りたい方はこちらをどうぞ(ジオイド2011について)

        日本測地系[編集]

日本では、2002年4月1日までは、日本測地系旧日本測地系Tokyo Datum)と呼ばれる測地系を用いてきた。

 。

ITRF94の経緯度と日本測地系のそれとでは、準拠楕円体の差異により両者の値には東京付近の地表面では400m程度のずれが存在する。東京付近では、おおむね、日本測地系の数値から、北緯に12秒加え、東経に12秒減ずると、ITRF94の数値が得られる。

ただし日本測地系にもとづく基準点網は古い測量成果の三角網によって設定されているため、測地系以外の要因によるゆがみが北海道や九州では5~10m程度存在する(南西諸島、離島等はそれ以上の場合もあった)。このようなゆがみも考慮したITRF94との測地系変換方法が、国土地理院により公式に提供されている(TKY2JGD)[8]

これらのずれやゆがみは、日本国内向けに1:25,000の地形図を発行するには問題を生じないが、海図の国際利用や、精密な位置情報にもとづくGISデータの整備の障害になりつつあった。

世界測地系[編集]

そこで、測量法及び水路業務法の一部を改正する法律の施行により2002年4月1日から、日本測地系2000[2]と呼ぶ測地系を用いることとなった。

「世界測地系」とは、地球を次に掲げる要件を満たす扁平な回転楕円体であると想定して行う地理学的経緯度の測定に関する測量の基準をいう。

一  その長半径及び扁平率が、地理学的経緯度の測定に関する国際的な決定に基づき政令で定める値であるものであること。

二  その中心が、地球の重心と一致するものであること。

三  その短軸が、地球の自転軸と一致するものであること。

インターネット地図が採用している測地系[編集]


3 日本測地系と世界測地系

 我が国では、改正測量法の施行前は、明治時代に採用したベッセル楕円体を使用していました。明治政府は、近代国家に不可欠な全国の正確な地図である5万分の1地形図を作るために、基準点網を全国に整備しました。この時採用された楕円体が、改正測量法の施行前まで使用されてきたベッセル楕円体です。そして、当時の東京天文台の経度・緯度が、天文観測により決定されました。この位置が現在の日本経緯度原点となっています。この測地基準系を「日本測地系」と呼んでいます。全国に設置された基準点の経度・緯度は、日本経緯度原点を絶対的な位置の基準として求められて行ったのです。 
 しかし、VLBIや人工衛星により地球規模の観測ができるようになった今日では、日本測地系は、残念ながら、地球全体によく適合した測地基準系であるとは言えなくなってしまいました。 
 一方で、地球全体によく適合した測地基準系として、世界測地系が構築されています。 世界測地系とは、VLBIや人工衛星を用いた観測によって明らかとなった地球の正確な形状と大きさに基づき、世界的な整合性を持たせて構築された経度・緯度の測定の基準で、国際的に定められている測地基準系をいいます。 
 では、日本測地系は、世界測地系とどのくらい違っているのでしょうか? 
 例えば、日本測地系の経緯度で表されている地点を、世界測地系の経緯度で表わすと、東京付近では、経度が約-12秒、緯度が約+12秒変化します。これを距離に換算すると、北西方向へ約450mずれることに相当します。 

経緯度原点の位置で比較するとこのようになります。

日本測地系と世界測地系の違い

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平面直角座標系(平成十四年国土交通省告示第九号)

 測量法(昭和二十四年法律第百八十八号。以下「法」という。)第十一条第一項第一号の規定を実施するため、直角座標で位置を表示する場合の平面直角座標系を次のように定める。

  平成十四年一月十日

国土交通大臣 林  寛子 

 

最終改正 平成二十二年三月三十一日国土交通省告示第二百八十九号  

  平面直角座標系

系番号 座標系原点の経緯度 適用区域
経度(東経) 緯度(北緯)
I 129度30分0秒0000 33度0分0秒0000 長崎県 鹿児島県のうち北方北緯32度南方北緯27度西方東経128度18分東方東経130度を境界線とする区域内(奄美群島は東経130度13分までを含む。)にあるすべての島、小島、環礁及び岩礁
II 131度 0分0秒0000 33度0分0秒0000 福岡県 佐賀県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県(I系に規定する区域を除く。)
III 132度10分0秒0000 36度0分0秒0000 山口県 島根県 広島県
IV 133度30分0秒0000 33度0分0秒0000 香川県 愛媛県 徳島県 高知県
V 134度20分0秒0000 36度0分0秒0000 兵庫県 鳥取県 岡山県
VI 136度 0分0秒0000 36度0分0秒0000 京都府 大阪府 福井県 滋賀県 三重県 奈良県 和歌山県
VII 137度10分0秒0000 36度0分0秒0000 石川県 富山県 岐阜県 愛知県
VIII 138度30分0秒0000 36度0分0秒0000 新潟県 長野県 山梨県 静岡県
IX 139度50分0秒0000 36度0分0秒0000 東京都(XIV系、XVIII系及びXIX系に規定する区域を除く。) 福島県 栃木県 茨城県 埼玉県 千葉県 群馬県 神奈川県
X 140度50分0秒0000 40度0分0秒0000 青森県 秋田県 山形県 岩手県 宮城県
XI 140度15分0秒0000 44度0分0秒0000 小樽市 函館市 伊達市 北斗市 北海道後志総合振興局の所管区域 北海道胆振総合振興局の所管区域のうち豊浦町、壮瞥町及び洞爺湖町 北海道渡島総合振興局の所管区域 北海道檜山振興局の所管区域
XII 142度15分0秒0000 44度0分0秒0000 北海道(XI系及びXIII系に規定する区域を除く。)
XIII 144度15分0秒0000 44度0分0秒0000 北見市 帯広市 釧路市 網走市 根室市 北海道オホーツク総合振興局の所管区域のうち美幌町、津別町、斜里町、清里町、小清水町、訓子府町、置戸町、佐呂間町及び大空町 北海道十勝総合振興局の所管区域 北海道釧路総合振興局の所管区域 北海道根室振興局の所管区域
XIV 142度 0分0秒0000 26度0分0秒0000 東京都のうち北緯28度から南であり、かつ東経140度30分から東であり東経143度から西である区域
XV 127度30分0秒0000 26度0分0秒0000 沖縄県のうち東経126度から東であり、かつ東経130度から西である区域
XVI 124度 0分0秒0000 26度0分0秒0000 沖縄県のうち東経126度から西である区域
XVII 131度 0分0秒0000 26度0分0秒0000 沖縄県のうち東経130度から東である区域
XVIII 136度 0分0秒0000 20度0分0秒0000 東京都のうち北緯28度から南であり、かつ東経140度30分から西である区域
XIX 154度 0分0秒0000 26度0分0秒0000 東京都のうち北緯28度から南であり、かつ東経143度から東である区域

  備 考
座標系は、地点の座標値が次の条件に従ってガウスの等角投影法によって表示されるように設けるものとする。

 1 .座標系のX軸は、座標系原点において子午線に一致する軸とし、真北に向う値を正とし、座標系のY軸は、座標系原点において座標系のX軸に直交する軸とし、真東に向う値を正とする。
 2 .座標系のX軸上における縮尺係数は、0.9999とする。
 3

.座標系原点の座標値は、次のとおりとする。
   X=0.000メートル  Y=0.000メートル

 

   附 則

 この告示は、測量法及び水路業務法の一部を改正する法律(平成十三年法律第五十三号)の施行の日(平成十四年四月一日)から施行する。
 この告示の施行に伴い、昭和四十三年十月十一日建設省告示第三千五十九号(平面直角座標系)は、廃止する。

 この告示の施行の際現に実施中の法第五条に規定する公共測量並びに法第六条に規定する基本測量及び公共測量以外の測量(法第四十七条の規定により指定されたものに限る。)については、なお従前の例による。

 

   附 則

 この告示は、平成十八年二月一日から施行する。

  附 則

この告示は、平成二十二年四月一日から施行する。


ジオイドとは

ジオイドとは

 地球は、自転による遠心力の影響を受けて、極(南北)方向に比べて赤道方向が少し膨らんだ回転楕円体*(半径比で約1/300)に近い形状をしています。地球の表面上にあるものには、地球の引力と自転による遠心力の二つの力を合わせた重力が働いています。水などの流体は、重力によって移動し、重力とのバランスがとれた場所に落ち着きます。

 水が重力だけの力を受けていると仮定すると、その水が落ち着いてつくる地球の表面形状を、測地学や地球物理学においては、「重力の等ポテンシャル面」、測量分野では「水準面」と呼んでいます。この「水準面」は、すべての場所で重力の方向と直交します。川の水は重力の影響を受けて水準面の高い方から低い方へ流れます。このように、「水準面」が高さの高低を決めています。

 地球表面の7割は海洋で覆われており、測地学では世界の海面の平均位置にもっとも近い「重力の等ポテンシャル面」を「ジオイド」と定め、これを地球の形状としています。日本では、東京湾平均海面を「ジオイド」と定め、標高の基準としています(離島を除く)。したがって、標高は「ジオイド」から測った高さになります。

 地球には、8,000mを超える山や、10,000mよりも深い海溝といった大きな地形起伏があります。また、地球の地殻構造は不均質であり、そのため地球の引力(ひいては重力)は地球の表面でいろいろな変化があります。「ジオイド」もこれにより起伏があり、「ジオイド」の起伏にもっとも良く適合した回転楕円体と比べたとき、「ジオイド」の凹凸(回転楕円体から測った垂直高)は最大約±100mに達しています(図-1)。わが国では、「GRS80楕円体」を回転楕円体として採用しており、この楕円体からの「ジオイド」までの高さを「ジオイド高」といいます。この高さは基準となる楕円体によって変わります(図-2)。

 現在、測量やナビゲーションに利活用されているGPSでは、幾何学的な位置(緯度、経度、楕円体高)を求めることができますが、標高を直接求めることはできません。GPSを用いて標高を求めるには、「ジオイド高」が必要になります。

 * 日本で採用している回転楕円体「GRS80楕円体」は、地球の形状、重力の定数、角速度といった地球の物理学的な定数が定義されており、地球に最もよく似た形を計算式で表現することができます。

図-1 ジオイドの概形 図-2 楕円体・ジオイド・標高の関係
 H=HE-N
 H:標高、 HE:楕円体高、 N:ジオイド高